マーラー(a.k.a.)の交響曲

ハイドン、モーツァルトから百余年を経て、交響曲はマーラーに至ります。同じ名前で呼ばれるジャンルがここまで拡張され、変容していくのは、壮観というか世紀末というか。マーラーの音楽では、いろいろな音素材が万華鏡のように繰り出され、ときに困ってしまうような切々とした表現も。

交響曲一覧

マーラーの交響曲には、(いちおう)完成した番号付きのものが9曲あります。

番号調通称作曲時期楽章PiFlObEhClBclFgCfgHrTpTbTub備考
1DTitan1883/88 (93/96改訂)5(2)44(1)4(1)3(1)7541
2c復活1887/94 (1903改訂)5(2)44(2)5(1)4(1)6641
3d1893/96 (1902改訂)6(2)44(1)5(1)3(1)8541
4G1899/1901 (1901/10改訂)4(2)43(1)3(1)3(1)43
5cis1901/025(2)43(1)3(1)3(1)6431
6a悲劇的1903/05 (06改訂)41(+2)441(+1)41418641
7e1904/0651(+1)43141314331
8Es190622+4(+1)41414184+44+31
9D1909/104144(1)414(1)4331

「大地の歌」は番号を持ちませんが、"Symphonie für eine Alt- und eine Tenorstimme und großes Orchester"とされています(「大地の歌」の歌詞と音楽も参照)。また未完に終わった第10番も、ほぼマーラーの手で完成されていた第1楽章のみ、あるいはスケッチに基づく補作版による全曲演奏というかたちでしばしば取り上げられます。

番号調通称作曲時期楽章PiFlObEhClBclFgCfgHrTpTbTub備考
Erde大地の歌1908/0961(+1)33(1)413(1)4331独唱(Alt; Ten)
10fis19105(1)44(1)414(2)4441編成はCook版

上記の表の交響曲番号が詳細情報へのリンクになっています。楽器編成の()内は持ち替え、通常の数字に(+1)などと併記しているのは、専門奏者に加え、持ち替えで+の奏者がその楽器を吹くことを示します。

これら以外にときどき取り上げられるものとしては、1番の第2楽章として作曲され、1894/96に破棄されたBlumine(花の章)、2番の前身となった交響詩「葬礼」(1888)があります。さらに詳細不明のものとして、音楽院のコンクールのための交響曲(1876/78)、1~3楽章の自筆譜があるらしいイ短調の交響曲(1876/78)、ノルディック交響曲(1878/82)という未完の断片があるとされています。

マーラーも自作の改訂を行っています。作曲と改訂の流れをまとめた表も参照してください。

参照文献

※入力ミスなどによる誤りが含まれる可能性があります。年月(日)はISO-8601スタイルで、1806-10は1806年10月を、1806/10は1806~1810年を示します。