SWIGのIRCで、Chris Heathcoteの「rdf as barcodes, and geowarchalking」が紹介されていた。緯度経度情報を簡単に入手するために、wi-fi情報をチョークで歩道にマークするWarchalkingに倣おうというgeowarchalkingの話から始まって、どうせやるならgeo:メタデータをQRコードで表現すればいい、いやそれならいろんなRDFをQRコードにすれば面白いぞ、といった展開の記事。
QRコードの使い道としては、名刺にvCardデータを刷り込んだり、イベントの案内にiCalendarデータを印刷するというのは、何となく想像がつくが、RDF一般というのはどうなんだろう。vCardやiCalといった専用フォーマットがない分野で、自分でちょっとしたデータベースやカタログを作りたいもの、たとえば書籍の書誌情報、CDの演奏関連情報、あるいはレストランの住所・営業時間・緯度経度などは、RDFで表現してQRコードとしてカバーやカードに印刷してあると、入力が楽になるのはもちろん、データの連動も可能になりそうだ。
しかし、RDF/XMLをQRコードにした場合、サイズの大きさが使い勝手を悪くしかねない。ごくシンプルな書誌情報のRDFでも、QRコード(誤り訂正15%)は次の左のような具合になる。データを詳細にすると当然もっと多くのセルが必要で、少なくともカバーに印刷したいようなものではなくなってしまう(現在の一次元バーコードだって、デザイン的には評判が悪いのだ。ただし、精度の高い印刷なら、もっと縮小することは可能)。
RDF/XML, RDF/N3, N3縮小版。
同じRDFをN3で記述すればデータは約半分で済むから、上の右2つの例のようにある程度コンパクトにできる。Turtleを使ってもほぼおなじものができるだろう。これらの構文はRDF/XMLより対応アプリケーションは少ないかも知れないが、QRコードからRDFを取り出すソフトはまだ存在しないのだから、同じことだ。
QRコードとRDFという組み合わせは、荒唐無稽に感じるかも知れない。しかしこれからQRコードが普及していく段階で、いろんな業界がそれぞれ独自のフォーマット/エンコードを作っていくぐらいなら、RDFで相互運用性がある形にするというのは、結構現実的でメリットもあるんじゃないだろうか。
- QRコードとメタデータの実用性 (2004-04-05)
- もうひとつのRDF構文:Turtle (2004-03-27)