ちょっとしたメモ

Tim Brayのurn:tag:スキーム案

Tim Brayが2月1日の記事「Tag Scheme?」で、URNのNIDとして"tag"を導入し、urn:tag:というスキームで「タグ」を識別するというアイデアを示した。これを受けて、コメント欄などでちょっとした議論が展開されている。もともとはAtomフィードのcategory要素のscheme属性のために使おうというものだったようだが、タグ文字列がそのままURIに対応することになるので、面白いと同時に危うい面も併せ持つURNだ。

コメント欄に出ている意見は、概ね次のような感じ。

  • わざわざ新しいURNを登録しなくても、http:で同じことができる、あるいはURNでは参照を辿れないからhttp:の方がよい。
  • タグあるいはカテゴリを一意に示すには、WikipediaのページURIを利用すればよいではないか。
  • タグをURIで表すとき、geo:lat=...のような「マシン・タグ」との関係を明確にしないとややこしいことになる。

タグは人によって(あるいはコンテクストによって)意味するところが違う(例えばchatは英語とフランス語とでは別物)。だから人やコンテクストを含めてタグのデータモデルを考え、意味を表現しようという試みがあったりもする。この辺りを、Danny Ayersが「タグ・オントロジー」やGRDDLでRDFを抽出する話として書き込んだら、I disagree entirely. という反応。まぁ、Tim BrayはRDF嫌い(初期仕様の策定にかかわったにもかかわらず)だから仕方ないけど、

Where on earth would you go to find about tags like "lisp" or "ethiopia". The whole point of tags is that they're invented by anyone without asking, and semantics are either emergent or absent. There's nowhere authoritative to go.

だそうだ。タグがURIを持つことになると、異なる人やコンテクストのタグがグローバルに「同じもの」として識別されるようになる。が、それは必ずしも「同じ概念や意味」に直結するわけではない、ということらしい。

だったら別にURIじゃなくて、文字列のタグのままでもよさそうな気がするが、Tim Brayは、De facto, there is an unstructured flat vocabulary of "tags" which currently doesn't have a name; it needs one. とも書いている。うーん、Atom用のスキームとして出発したから、こういう話になるのだろうか。

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